荒川さんは幼少期、他の子と同じ様にサンタクロースを信じていた。
 ただそれも小学校にあがると、いささか懐疑的になっていった。
「両親がね、厳しかったから」
 両親とも県の役所に勤めるガチガチの公務員だった。
 なのでシルバニアファミリーをお願いすれば百科事典に、ゲーム機をお願いすれば電子辞書になったという。
 サンタなんていないんじゃないか、うすうす理解しつつもまだ信じたくはない年頃だった。
 

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